02.アシュタンガヨガ

「アシュタンガヨガ」という言葉には、二通りの意味があります。

一つは、インドに伝わる様々なヨガの流派のすべてにおいて有用である、賢者パタンジャリによって概説された、
ヨガの道における8つのステップの意味です。
これらは段階を踏んだヨガの練習方法であり、修練の状態を示すとも言えます。
このページでは、この8つのステップをわかりやすい言葉でまとめたいと思います。

二つ目は、別名「アシュタンガ・ヴィンヤーサヨガ」といい、シュリ・K・パタビジョイス氏によって
現代に広められた、流れの中で動作と呼吸を完全に一致させて行うヨガアーサナの練習法のことです。
これについて詳しくは、次のASANAのページをご参照ください。

アシュタンガヨガの8つのステップの内、最初の4つのステップが外的練習法であり、
5つ目が内的世界との架け橋の役割を果たし、最後の3つは完全に内面的なものだと言われています。
私の師であるシュリ・K・パタビジョイス氏は、現代人には最初の3つのステップの練習だけで、
一生努めるのに十分な修行になると言っておりました。また、これらは段階的に順を追っているので
通常伝統的には最初のステップである「ヤーマ」から練習を始めるはずですが、
パタビジョイス氏は現代人のように心身の健康状態のバランスが崩れていると、最初の二つのステップである
「ヤーマ」と「ニヤーマ」の練習が極めて難しいと言っています。
従って、彼はまず3つ目のステップである「アーサナ」によって心身の浄化を促し、
同時に欠かさずヤーマとニヤーマの練習に努めるよう、練習生に指導していました。

yama

【ヤーマ】道徳律
環境と健全な関わりをもつこと。5つのガイドラインがある。

  • 1、アヒムサ
    一般的に「非暴力」と訳される言葉。
    行動/言動/思考すべてのレベルにおいて害を及ぼさないこと。
  • 2、サティヤ
    正直であること。
  • 3、アステヤ
    不盗。物だけに限らず、人、言葉、アイディアなど、何にでも適応する。
  • 4、ブラフマチャルヤ
    エネルギーの温存。
    主に性的エネルギーのコントロールについての論及が多い。
  • 5、アパリグラハ
    貪欲に溺れないこと、相当するもののみを受け入れる。

niyama

【ニヤーマ】浄化と学習
自分と健全な関わりをもつこと。5つのガイドラインがある。

  • 1、サウチャ
    清らかであること。アンタール・サウチャとは内側を差し、思考の次元を清らかに保つこと。
    バヒール・サウチャとは外側を差し、身体を清潔に保つことを言う。
  • 2、サントーシャ
    足ることを知ること。あるもので満足すること。
  • 3、タパス
    規律を保つこと。
  • 4、スヴァドヤーヤ
    自己研究、師の教えを自分の生活で実践・経験すること。
  • 5、イーシュヴァラ・プラニダーナ
    自分が好む神を日々想い、我を神に降伏させること。
    (ヒンズー教では様々な神々の姿形があるが、パタビジョイス氏の恩師であり、
    現代ヨガの父と呼ばれるクリシュナマチャルヤ氏はかつて、
    「神の存在を信じない者にとってイーシュヴァラとはいったい何か?」
    という問いに対して「そのような人にとってイーシュヴァラは
    愛に置き換えることができるだろう」と言っていたそうです。)

asana

【アーサナ】
身体的なポーズの練習を、意識をもって、
努力と安らぎのバランスを取りながら行うこと。

pranayama

【プラーナヤーマ】
調息法。

pratyahara

【プラティヤハーラ】
感覚の再教育を意味する、五感を撤回すること。

bharana

【ダーラナ】
意識を一点に集中させること。

dhyana

【ディヤーナ】
一点の集中を保つこと、すなわち瞑想。

samadhi

【サマーディ】
吸収。瞑想する者が瞑想の対象と完全に統合している状態。
すべてとの一体感を意味する。